女性放射線腫瘍医の親睦と情報交換の場

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女性放射線腫瘍医の立場から

「院内病児保育室の立ち上げ」(198X年卒、国立病院勤務)

私は、当院に就職させて頂いてから、3年目の2017年4月にワーク・ライフ・バランス部 部長を拝命致しました。ワーク・ライフ・バランス部は、2015年夏に、国が女性医師支援懇談会を立ち上げたことがきっかけで前院長から提案があり、2015年12月に女性医師支援部として設置されました。その後、支援の対象は女性のみでなく、男性や職場全体である事が認識され、2018年4月より名称がワーク・ライフ・バランス部に変更されました。委員会の構成員は、全職員のニーズを把握するために医師・事務員のみでなく、各部署から推薦された看護師2名を含む12名となりました(2018年9月)。現在、病院内全職員がワークライフバランスをとれる環境を目指して、会議で問題点を話し合い、病院に要望しています。また、院内保育園は当院に隣接しており、業務委託契約した企業が運営しています。ワークライフバランス部は、保護者である当院職員の要望を当院から委託業者に提出して問題点を適宜解決しています。

アンケート調査

我々は活動内容の検討の足がかりとする目的で、医師全体に、育児・介護・ワークライフバランスに関するアンケート調査を行いました。その結果と委員会での検討内容は①病児保育施設の設置、②当直・オンコール制の免除、③男性職員が育児休業を取りやすい環境の整備、④子供が小さい時は転勤の融通を利かせて欲しい、⑤子供が小学生になっても利用できる制度(時短勤務や休暇等々)、⑥子供が下校後に、一時的に預けられる場所(学童保育)の確保、⑦介護休暇、看護休暇の延長、介護時短のような制度、⑧責任ある仕事をしていても休みやすいような体制づくり、⑨子の有無にかかわらない、医師全体へのサポート、女性医師間の不公平感の改善、⑩周囲の医師、上司の意識改革、⑪複数担当医制、医師の確保、等でした。委員会で検討した結果、医師の確保は自分達では難しいので、まず、最も要望の多かった病児保育室設立を目指しました。今回、設立についてお話し致します。皆様のご参考になりましたら幸いです。 

病児保育室の開設時期と経緯

 2019年11月30日より開設致しました。運営費用は、病院が支出し、病児保育室利用料金は病児一人当たり1日2000円です。これは市内の他の保育所と同額です。

 

開設に当たって、まず、小児科医の協力を得ました。開設場所は、元病棟であった場所で、大部屋(4床分)を2部屋使用しています。部屋には、ベッド1つ、食事用の小テーブル、子供用のイス等があり、床は、パイルのマットを敷き詰めています。トイレ、洗面台は小児用に足台等を設置し、部屋の出入り口には柵を設置しました。病室であった所なので、酸素吸入は可能です。また、病児の容体が急変したときには速やかに小児科医と連絡をとり、ベッドで外来に搬送します。委員会で毎月協議を重ね、他施設を見学し、当施設の運用規則を作成しました。2名の病児を院内の保育士と看護師の2名の職員で別々の2部屋で1対1で保育することとし、保険加入を済ませました。
以下に、規約の一部を紹介致します。

 

「病児の対象は職員の子供で生後2ヶ月から中学校就学前まで、保育時間は平日9時から17時までです。利用には前日15時までの利用登録が必要です。なお、利用可能日の詳細は電子カルテ掲示板で確認して下さい。」

 

実際の病児保育室利用手順ですが、前日夜中に子供が発熱した場合、病院の事務当直者に電話して、病児保育利用を予約します。予約は2名までで、3名以降は待機であること(すなわち当日キャンセルが出たら連絡する)を伝えます。朝8時半にその日の病児保育当番の小児科医の診察を受けて、病児保育可能と判断されると、保護者が、お迎えにきた保育者と一緒に保育室に連れて行きます。保育者は保護者より必要事項を聴取し、保護者は9時過ぎには職場に行くことが出来ます。薬の処方があった場合は、院内で処方され、後ほど保育室に届きます。子供が午前中に発熱した場合、15時までは保育室に空きが有れば受け付けます。食事は、アレルギー食等の問題を個別に対応することが出来ないため、保護者が持参します。病児保育の利用がない時は、保育士は小児科病棟キッズルームでの保育、看護師は外来処置室での採血業務等に従事します。2019年12月〜2020年1月までに、3名の病児の利用があり、保護者達は全員、病児保育室が利用できた事に満足していました。

 

その後、COVID-19感染症の影響を受け、病児保育室は現在休眠状態です。院内や近隣に適当な場所があれば、いつでも運用再開可能なのですが、今のところなく、じっと再開できる時期を待っております。

 

今後、ワークライフバランス部は、上記の②—⑪等の要望事項に対して、引き続き改善策を考えていく予定です。

「放射線腫瘍学を選んだきっかけ」(199X年卒・公立病院勤務)

 私が放射線腫瘍学を志した最初のきっかけは、高校3年の夏に、米国の高校生科学プログラムに参加したことです。米国各州とG7国からの参加者が、ニューヨークのブルックヘブン国立研究所に約1ヶ月滞在し間寝食を共にしながら放射線について勉強しました。今思えば、田舎育ちで飛行機に乗ったこともない私が、よく単身で無事に帰ってこられたと思いますが、それゆえに、そこで経験したことや出会った人々は、私の人生を大きく変えました。 もともと叔父をがんで亡くしたことがきっかけで医学部を志していたため、シンクロトロン加速器のあるその研究所で知った“切らずにがん治療する放射線治療”に大きな魅力を感じました。また、現地で出会った日本人女性研究者からは、私の最初の“働く理系女子ロールモデル”として強い衝撃を受けました。

医学部入学後は色々な科に興味を持ちましたが、進路を考えたとき、やはり放射線治療への興味は捨てきれず、新潟でのJASTROの夏季セミナーに友人と一緒に参加してみました。その懇親会で、ご高名な先生方が皆さんで仲良くお酒を交えて歓談されているお姿を拝見し、全国のJASTROの先生方が顔の見える関係で学会活動をされていることに親近感を覚えました。運や縁に助けられながら今に至りますが、この分野を選んで良かったと心から思います。高校生の頃から放射線治療を志すケースはやや特殊かもしれませんが、どんな分野にせよ、若い人にとって大事なのは様々なチャンス、出会いであることを実体験で痛感しており、医学に興味のある中高生に出会うと、若い頃を思い出しながら声をかけています。

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